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学生のキャリア観は、どう変わってきたか 〜大学生キャリア調査の動向から

かず / Kazu | 

2026/10/4 01:54

これまでこのÉtudesでは、学び続けることの大切さについて綴ってきた。今日は少し視点を変えて、これから社会に出ようとしている学生たちの意識が、どのように変化してきているのかに、目を向けてみたい。

「楽しく働きたい」が、過去最高に

民間企業が毎年実施している大学生の就職意識調査では、長年にわたって、学生たちに「就職観」について尋ねる項目がある。仕事を通じて何を大切にしたいか、という価値観を尋ねるものだ。

2027年卒業予定の学生を対象にした最新の調査では、「楽しく働きたい」と答えた学生の割合が40.2%となり、比較可能な数値としてもっとも古い2001年卒の調査以来、初めて4割を超えたことが明らかになった。

この数字が示しているのは、学生たちのキャリア観が、「収入」や「安定」といった、目に見えやすい条件だけでなく、日々の働く時間そのものの質にも、大きな関心を向けるようになってきているという変化だ。二十年以上にわたる調査の積み重ねだからこそ見えてくる、緩やかで、それでいて確かな変化がここにある。

学年が上がるにつれて、深まる不安

同じ調査機関が実施している、大学低学年を対象にした調査では、また別の側面が見えてくる。

将来について不安を感じていることを尋ねると、もっとも多かったのは、お金に関する不安だった。そして、学年が上がるにつれて、就職活動そのものへの不安や、働くことそのものへの不安、さらには老後に対する不安までもが、大きくなっていく傾向が示されている。

大学生活を通じて、社会が少しずつ近づいてくるにつれて、期待だけでなく、さまざまな不安もまた、静かに膨らんでいく。この事実は、キャリア支援というものが、就職活動が本格化する時期だけでなく、もっと早い段階から必要とされていることを、静かに教えてくれている。

「変わらないように見えて、変わっている」という視点

こうした調査を長年見つめてきた研究者たちは、興味深い指摘をしている。学生の就職観は、景気の動向によって、一時的に上下することが多く、一見すると「大きくは変わっていない」ように見える年もある。だが、数値の推移を長期的に、丁寧にたどっていくと、その背景にある学生たちの企業選びの基準や、働くことへの向き合い方は、確かに少しずつ変化してきているという。

短期的な変化だけを見ていると、見誤ってしまうことがある。長い時間軸でデータを見つめることの大切さを、この指摘は教えてくれる。

Tuning・Sessionで綴ってきたことと、重なる部分

「楽しく働きたい」という価値観の高まりは、このサイトのTuningで綴ってきた、「やりたいこと」よりも「大切にしたいこと」という視点とも、深いところで響き合っている。

そして、学年が上がるにつれて不安が深まっていくという事実は、Sessionで綴ってきた「答えを先回りして与えない、ただ寄り添う」という姿勢が、学生の方々にとっても、決して無関係ではないことを示しているように思う。

社会に出る前の段階から、自分の音に耳を澄ませ、誰かと対話しながら、少しずつ不安と向き合っていく。そうした時間の大切さは、世代を問わず、共通しているのだと、あらためて感じている。

かず / Kazu


参考:マイナビキャリアリサーチLab「2027年卒大学生就職意識調査」(2026年)、「大学生低学年のキャリア意識調査」ほか

かず / Kazu キャリアコンサルタント

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